賃貸アパートを信託財産とするケース

家族信託制度でよく利用されるのが親の持つアパート(収益不動産)を信託財産に入れる方法です。
アパートを信託をすることにより、判断能力を喪失した場合でも以下のケースが可能になります。
収益物件を信託することで出来ること
- 修繕工事の契約ができる
- 新たに貸主として契約行為ができる
- 大規模修繕をすることができる
- 建物の建て替えができる
- 売却し現金に変えることができる
*これらの行為に原則、委託者(=受益者)の同意を必要としません。
*成年後見制度では家族信託のような売却したり、制限が及びます。(簡単にはできない)
現在の状況
家族構成は父、母、長女の3人家族。
父は以前からアパートを経営していている。
アパートは築10年で築浅、今後しばらくは大規模な修繕工事は不要。
入居可能数は5世帯で家賃は月に10万円と設定している。現在は全部屋が入居済。
賃貸不動産のオーナーの仕事は多岐にわたるため、この先、老いてきたら娘に管理を任せたいと思っている。

信託の設計と契約
委託者: 父
託者: 娘
受益者: 父
信託財産: 自宅不動産
信託の終了: 委託者の死亡時に残った財産の娘が受け継ぐ。(これを「信託の残余財産」の「帰属権利者」設定という)
父と娘で収益物件を信託財産とする家族信託を契約すると、こんなメリットとデメリットがあります。

メリット(認知症になっても)
- アパートの管理を任せることができる
- 入居時の契約や解約、賃料の催促など任せることができる
- 修繕の対応を任せることができる
- アパートから生まれる賃料収益を受けられる
デメリット
- 損益通算ができない
このように、家族信託は非常に柔軟性に富んだ設計が可能です。
委託者との契約により委託者の意思を受託者が長期に渡り引き継ぎ運用していくことで家族の負担を大幅に減らすことが可能です。また、その他の生前対策である遺言を上手に活用し信託財産以外の部分をカバーすることで遺留分の対策や遺産分割協議をしなくて済むように設計することも可能です。
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