
働く人のスキルと経験を適正に評価し、建設業界の未来を創る建設キャリアアップシステム(CCUS)。個人事業主として奮闘する日々の中、このシステムについて詳しく知りたいと思っていませんか?本記事では、横須賀・横浜で活躍する建設業者の皆さんに向けて、CCUSの基本から登録方法、行政書士による代行サービスまで徹底解説します。
- 1. 建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?
- 1.1. なぜ建設キャリアアップシステム(CCUS)が必要になったの?建設業の課題
- 1.2. 建設キャリアアップシステム(CCUS)が目指すもの:「見える化」された業界
- 1.3. 建設キャリアアップシステム(CCUS)はどうやってできたの?
- 2. CCUSはどうやって使うの?建設業の未来を支える新しい仕組み
- 3. CCUSが建設業界にもたらす変化と個人事業主へのメリット
- 3.1.1. 個人事業主や一人親方がCCUSに登録するメリット
- 3.1.2. 個人事業主や一人親方がCCUSに登録するデメリット
- 4. 建設キャリアアップシステムの登録方法と必要書類
- 4.1. 事業者登録について
- 4.2. 技能者登録について
- 4.3. 技能者登録に必要な主な書類一覧
- 5. CCUS登録に必要な費用と時間の目安
- 5.1. 登録費用の目安
- 5.1.1. 事業者登録費用
- 5.1.2. 技能者登録費用
- 5.1.3. 管理者ID
- 5.1.4. 登録にかかる時間
- 6. 忙しい建設業者のためのCCUS登録代行サービス
- 6.1. 行政書士に依頼するメリットと選び方
- 6.1.1. CCUS登録行政書士に依頼するメリット
- 7. 3つのパターンで見るCCUS導入コスト
- 7.1. まとめ
建設キャリアアップシステム(CCUS)とは?
「建設キャリアアップシステム?CCUS?なんだか難しそう...」というよりも、なんだか面倒くさそう。
最初はみなさんもそう思われるかもしれませんね。でも安心してください!実はとっても身近で、あなたの仕事の未来を大きく変える可能性を秘めたものなんです。
建設キャリアアップシステム(通称:CCUS)とは、建設業で働く技能者さん一人ひとりの「経歴書」をデジタルで管理するシステム。
具体的には、こんな情報を記録していきます:
- あなたが持っている資格
- 社会保険の加入状況
- どんな現場でどれくらい働いてきたか
- どんな立場(職長など)で働いてきたか
これらの情報が「見える化」されることで、あなたの経験やスキルが正当に評価される基盤ができるんです!
なぜ建設キャリアアップシステム(CCUS)が必要になったの?建設業の課題
実は建設業界には、長年解決できなかった大きな課題がありました。
たとえば、製造業では50~54歳が給料のピークを迎えるのに対して、建設業では45~49歳と早くピークを迎えてしまいます。これって、ベテランになるほど評価されるはずの「現場管理能力」や「若手への指導力」が、きちんと評価されていない証拠かもしれません。
また、建設技能者の多くは業界自体が下請け構造であるが故に、様々な現場を渡り歩きながら働いています。そのため、あなたがどれだけ優れた技術を持っていても、「どこの現場で」「どれだけの期間」働いてきたかを、証明することができませんでした。第三者へ「見える化」できる統一された仕組みがなかったんです。
建設キャリアアップシステム(CCUS)が目指すもの:「見える化」された業界
簡単に例えてみれば、CCUSは野球選手の成績表のようなもの。どんな試合で、どんなプレーをしてきたかがすべて記録されていれば、正当な評価につながりますよね。建設キャリアップシステム(CCUS)はそんな仕組みなんです!
建設キャリアアップシステム(CCUS)はどうやってできたの?
CCUSは建設業界の長年の問題点を打開しようということから始まり、その後、数年かけて制度が作られてゆき、2019年4月に運用が開始された比較的新しい制度になっています。
- 2015年5月:建設技能労働者の経験を蓄積するシステム構築が表明
- 2016年4月:「建設キャリアアップシステム基本計画書」がまとまる
- 2017年6月:「建設キャリアアップシステム運営協議会」が設立
- 2019年4月:運用開始
多くの工事現場で、すでにCCUSカードを使った就業履歴の記録が始まっています。
「最初は面倒だと思ったけど、自分のキャリアが見える化されるのは嬉しい」という現場での声も聞かれます。
CCUSはどうやって使うの?建設業の未来を支える新しい仕組み

建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設業界で働く技能者一人ひとりの経験やスキルを「見える化」する新しい仕組みという点は最初に説明をした通りです。
はじめに、技能者本人であることを確認してシステムに登録します。登録が完了すると専用のCCUSカードが職人さんそれぞれに対し発行されます。このカードを使って、いつ、どの現場で、どんな仕事をしたのかという働いた記録や、取得した資格、受けた講習などの情報が電子的に記録されていきます。
CCUSに蓄積された情報をもとに、職人の皆さんが経験や能力に見合った評価を受け、適切な給料や待遇につながることを目指しています。また、優秀な技能者を雇用している会社の施工能力も「見える化」することで、腕の良い職人さんがきちんと評価される業界づくりを進めています。
CCUSが建設業界にもたらす変化と個人事業主へのメリット
「でも、実際に登録するとどんな良いことがあるの?」
この疑問にお答えします。CCUSは単なる登録システムではなく、あなたのビジネスを次のステージへと押し上げる強力なツールになり得ます。
個人事業主や一人親方がCCUSに登録するメリット
- 受注機会の拡大:公共工事を始め、多くの発注者がCCUS登録業者を優先する傾向にあります。特に大手ゼネコンは協力会社にCCUS登録を求めるケースが増えています。登録をしていないと現場へ入場できないケースもあり、今後ますますその傾向が強まると言われています。
- 信頼性の向上:「CCUSに登録している」という事実は、あなたの事業の信頼性を高めます。お客様や元請け会社からの信頼獲得につながります。また、公共工事に必要な経審のポイントアップの項目の一つでもあります。
- 人材確保の優位性:技能者はキャリアアップを望んでいます。CCUSに対応している会社は、そうした意識の高い人材を引きつける魅力になります。十分な経験と知識を持った優秀な人材が適正に評価されるのを目指します。
- 書類作成の効率化:現場入場時の書類作成が簡略化され、事務作業の負担が軽減されます。
- 適正な評価と単価アップの可能性:あなたの培ってきた技能と経験が見える化されることで、適正な評価を受けやすくなります。これは単価アップにつながる可能性があります。
- 大手現場への参入障壁低下:一人親方でも、CCUSに登録していれば大規模現場への入場がスムーズになります。下請け構造ができている建設業界では元請けからの信用が大切です。
- 将来的な事業拡大の基盤:将来的に会社化を目指すなら、CCUSへの早期登録は大きなアドバンテージになります。
- 補助金等の優遇措置:CCUSに登録している事業者を対象とした各種支援制度も増えています。
個人事業主や一人親方がCCUSに登録するデメリット
- 初期費用と更新料:登録には費用がかかります(詳細は後述)
- 登録手続きの手間:必要書類の準備など、一定の事務作業が必要です。
- 随時の更新作業:従業員が入社したり辞めたりする度に、システムでの登録や更新作業が必要になります。
建設キャリアアップシステムの登録方法と必要書類

CCUSへの登録は大きく分けて「事業者登録」と「技能者登録」の2つがあります。両方とも必要になるケースが多いですが、それぞれの違いを理解しておくと安心です。
事業者登録について
まず事業者登録とは、その名のとおり「会社としての登録」です。一人親方の場合も、事業者として登録する必要があります。
事業者登録の申請方法は、インターネット申請、認定登録機関窓口での申請、郵送申請の3つから選べます。ご自身の状況に合わせて選びましょう。
事業者登録が完了すると、システム利用のためのID・パスワードが発行されます。これで、所属する技能者の情報管理や現場での就業履歴の登録ができるようになるんですよ。
技能者登録について
次に技能者登録ですが、これは「働く人個人の登録」です。一人親方のあなた自身、または雇用する職人さん一人一人の職歴、保有資格、社会保険、建退共への加入状況などを登録します。
技能者登録が完了すると、ICカード「建設キャリアアップカード」が1ヶ月程度発行されます。このカードを元請けさんが現場に設置した端末で読み取ることで、就業履歴が自動的に蓄積される仕組みです。
「どんな書類が必要なの?」という声をよく聞きますので、技能者登録に必要な主な書類をテーブルで整理してみました。
技能者登録に必要な主な書類一覧
書類の種類 | 具体例 | 備考 |
---|---|---|
本人確認書類 | 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど | いずれか1点。外国籍の方は在留カードや特別永住者証明書も可 |
顔写真 | 6か月以内に撮影したカラー写真 | パスポートサイズ(縦45mm×横35mm) |
社会保険関係書類 | 健康保険証、年金手帳、雇用保険被保険者証など | 加入している保険の種類に応じて必要 |
退職金制度加入書類 | 建設業退職金共済手帳など | 加入している場合のみ |
保有資格証明書類 | 技能講習修了証、技能検定合格証書など | お持ちの資格に応じて |
同意書 | システム利用規約同意書、個人情報取り扱い同意書など | 申請時に必須 |
「これはどうやって準備したらいいの?」とお思いかもしれませんが、CCUSへの登録をサポートしてくれるCCUS登録行政書士が横須賀・横浜エリアには多くありますので、ご安心ください。もちろん、当事務所も神奈川県で54登録のある事務所の一つです。
なお、書類提出の際には、個人情報保護の観点から、健康保険の被保険者番号や基礎年金番号などの一部情報はマスキング(黒塗り)が必要です。詳細は↓の出典にある資料をご覧ください。
出典:証明書類見本一覧 - 建設キャリアアップシステム
参考サイト:CCUS登録行政書士一覧(2025年2月15日現在)
CCUS登録に必要な費用と時間の目安
「登録にはどれくらいのコストと時間がかかるの?」
予算と時間の見通しを立てるために、具体的な費用と期間をご紹介します。
登録費用の目安
事業者登録費用
事業者を登録するに費用がかかります。費用は下記のように資本金の額により決まっています。1人親方が0円となっている点に注目です。
資本金 | 登録料(税込) |
---|---|
一人親方 | 0円 |
500万円未満と個人事業主 | 6,000円 |
500万円以上 1,000万円未満 | 12,000円 |
1,000万円以上 2,000万円未満 | 24,000円 |
2,000万円以上 5,000万円未満 | 48,000円 |
5,000万円以上 1億円未満 | 60,000円 |
1億円以上 3億円未満 | 120,000円 |
3億円以上 10億円未満 | 240,000円 |
10億円以上 50億円未満 | 480,000円 |
50億円以上 100億円未満 | 600,000円 |
100億円以上 500億円未満 | 1,200,000円 |
500億円以上 | 2,400,000円 |
技能者登録費用
職人さんの登録は一人一人行います。登録の方法は簡略型と詳細型の2パターンに分かれていて、状況に応じてプランを選ぶ仕組みとなっています。単に現場入場を目的とする人は簡略型を選び、職人さん一人一人の経歴や技能の蓄積を目的とする事業主様は詳細方を選ぶ傾向にあります。
申請方法 | 種類 | 登録料(税込) |
---|---|---|
インターネット | 簡略型登録 | 2,500円 |
詳細型登録 | 4,900円 | |
認定登録機関 | 詳細型登録 | 4,900円 |
「経費は必要最小限に抑えたい」というあなたの気持ちは理解できます。しかし、これらの費用は将来的な受注拡大や業務効率化への投資と考えれば、十分に価値があるものです。
管理者ID
管理者ID利用料は、建設キャリアアップシステム(CCUS)における情報管理機能を利用するための基本料金です。事業者情報、技能者情報、現場情報などのデータを包括的に管理・運用するために必要不可欠な利用料となります。事業者登録時には管理者IDが自動的に発行され、年間利用料として11,400円(一人親方は2,400円)が毎年発生いたします。この費用は事業者登録を維持する限り、継続的にご負担いただく必要があります。
種別 | 費用 |
---|---|
一人親方 | 2,400円 |
法人・個人事業主 | 11,400円 |
登録にかかる時間
- 書類準備: 1週間〜2週間(既に必要書類を持っている場合はより短期間)
- 審査期間: 約3週間〜4週間程度
- カード発行: 技能者IDが発行されてから1週間程度
審査が完了すると技能者IDと呼ばれるものが発行されます。これが発行されてから1週間程度たつと技能者IDカードがお手元に届き、現場へ入場することが可能になります。
「現場が忙しくて手続きの時間がない」という方には、次にご紹介する代行サービスの利用をお勧めします。
忙しい建設業者のためのCCUS登録代行サービス
「毎日現場で忙しいのに、申請手続きをする時間なんてない…」
この悩み、とてもよく理解できます。そこで便利なのが、CCUS登録の代行サービスです。
行政書士に依頼するメリットと選び方
行政書士は官公庁への書類作成と提出を専門とする国家資格者です。CCUS登録においては建設業キャリアアップシステムに登録のあるCCUS登録行政書士が心強い味方になります。
もちろん、私たちもCCUSの研修を終了したCCUS登録行政書士として登録があるので安心してお問い合わせください。
参考サイト:CCUS登録行政書士一覧(2025年2月15日現在)
CCUS登録行政書士に依頼するメリット
- 専門知識による確実な申請:申請書類の不備によるやり直しを防げます
- 時間の節約:現場業務に集中できます
- 最新情報の入手:制度変更などの情報をタイムリーに入手できます
- ワンストップサービス:建設業許可など関連手続きも一括対応可能
「でも、依頼するとどれくらい費用がかかるの?」という疑問もあるでしょう。行政書士への依頼費用は一般的に3万円〜5万円程度。一見高く感じるかもしれませんが、自分で行う場合の機会損失(現場を離れる時間)を考えると、十分に検討の価値があります。
弊所の基本報酬は事務所登録料が税込33,000円、技能者登録は税込16,500円に設定、建設業許可とのセット割なども実施しております。
>> 弊所、建設キャリアアップシステム(CCUS)専用ページで報酬の詳細を見てみる
3つのパターンで見るCCUS導入コスト
まとめ
建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設業界全体の健全な発展を目指す重要な仕組みです。特に個人事業主や小規模事業者にとっては、事業拡大の強力な武器になり得ます。
- 公共工事や大型案件獲得のチャンスが広がる
- 技能者の適正な評価につながる
- 将来的な義務化に先駆けて準備できる
- 建設業界でのポジションを強化できる
「書類作成や行政手続きに不慣れで苦手意識が強い」「現場仕事で忙しく、許可申請の勉強をする時間が取れない」という悩みは、専門家である行政書士に相談することで解決できます。
横須賀・横浜エリアで建設業を営むあなたの事業発展をサポートするため、私たちはいつでもお力になります。CCUS登録を通じて、「地域に根差した信頼される建設会社」というビジョンを一緒に実現していきましょう。

中尾幸樹
横須賀・横浜の建設業の皆さん、こんにちは!建設のプロフェッショナルとして日々奮闘されている方々のサポート役、私たち行政書士事務所をご紹介させていただきます。
「建設業許可って複雑そう...」「どこに相談したらいいんだろう?」
そんな悩みをよく耳にします。でも大丈夫!地域密着型の私たちが、皆さんの事業の成長をトータルでサポートします!
格好よく例えるなら、私たちは建設業界の「コンシェルジュ」。
必要なものを必要なタイミングで、ワンストップでご用意します!
私たちができること
- 建設業許可取得のお手伝い
- 各種許認可の申請サポート
- 経審やCCUS登録のご案内
- 外国人雇用に関するビザ申請
個人事業主の方も、一人親方の方も、安心してお任せください!私たちは、皆さんの「困った!」を「よかった!」に変えるお手伝いをさせていただきます。
気になることがあれば、どんなことでもお気軽にご相談ください。メールでも、お電話でも、まずはお話を聞かせていただければと思います。
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